この記事は『ひぐらしのなく頃に』のネタバレを含みます。
祟殺し編で圭一が雛見沢大災害を生き延びた理由は、沙都子に橋から落とされ、その後の住民殺害から外れたため、と考えられます。圭一だけに特別な耐性があった、という話ではありません。
祟殺し編の時点では災害は有毒ガスの事故として伝えられます。しかし『解』まで進むと、なぜ圭一が村の住民と別の場所にいたかが違う意味を持ちます。
橋から落ちた圭一が生き残る
祟殺し編の終盤、圭一は沙都子によって橋から突き落とされます。生還した圭一を待っていたのは、雛見沢で大勢が亡くなったという知らせでした。
圭一は沙都子を救おうとしていたのに、その沙都子に拒まれます。しかも、その出来事の後で自分だけが生き残ります。助かったと喜べる結末にはなっていません。
表向きの説明だけを聞くと、落下した場所にはガスが届かなかったのか、と考えたくなります。しかし、河原で気絶していた圭一が助かること自体、ガス災害説では説明しにくいところです。川に落ちたからガスを避けられた、と片づけるのは無理があると思います。
大災害は自然のガス事故ではなかった
皆殺し編などで明らかになる雛見沢大災害の実態は、終末作戦による人為的な住民殺害です。公表されたガス災害だけで考えると、生存理由も違う方向へ進んでしまいます。
この真相と、圭一が橋から落ちて村人とは別の場所にいたことを合わせると、作戦を実行する側が圭一を見つけられなかったのではないかと考えられます。私が採るのは、この捕捉漏れという解釈です。部隊が圭一を見逃す場面を直接見せた解答ではありません。
ただし、祟殺し編の現場で部隊がどの道を捜索し、どの地点を見逃したかまで描かれるわけではありません。「川のこの場所は巡回対象外だった」と地図を埋めるほどの情報はありません。
沙都子は圭一を助けるために落としたのか
結果的に圭一が助かったとしても、沙都子が終末作戦を知っていて救出した、とは読めません。あの場面の沙都子は、圭一に恐怖を向けています。
助けようとした相手から攻撃され、その攻撃が生存につながったかもしれません。圭一にとっては、感謝も納得もしにくい出来事です。
この皮肉がつらいんですよね。最初から生存を狙って取った行動なら達成感もありますが、圭一は大災害の仕組みを理解して逃げたわけではありません。
生存と沙都子の救出は別の結末
祟殺し編で圭一が望んだのは、自分一人が生き残ることではなく、沙都子が虐待されない日常でした。自分だけが災害後の世界に残されても、その望みはかないません。
皆殺し編では、祟殺し編とは異なる手段で沙都子を救おうとします。生存者を一人出すことと、みんなで惨劇を越えることの違いが、後の編でより強くなります。
終末作戦からの捕捉漏れという読みは、大災害の真相と圭一の居場所をつなぐ推論です。その細部まで確定したとは言えません。それでもラストで残るのは、生存の幸運より、一人で救おうとした結果の取り返しのつかなさだと感じます。
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