この記事は『ひぐらしのなく頃に』のネタバレを含みます。
厄醒し編の雛見沢大災害は、偶然のガス噴出で村が壊滅した自然事故ではなく、後に明かされる終末作戦につながる人為的な惨劇です。この編でその異常さを示すのは、災害より前に起きる梨花への襲撃と、沙都子を追う不審な男たちです。
ガス事故の前に梨花が襲われている
第5話では、梨花が不審な男たちに連れ去られ、それを目撃した沙都子まで命を狙われます。村が大災害に遭ったこととは別に、誰かが二人を狙って行動していたわけです。
自然災害なら、住民を襲って連れ去ったり、目撃者を追いかけたりする必要はありません。後からガス事故と説明されても、この先行する襲撃は説明できないまま残ります。
祟殺し編では、村の全滅が突然の異常事態に見えました。厄醒し編は、その直前に動く人間を沙都子の視点で見せています。災害のニュースだけ聞いていたら気づけない部分です。
沙都子が生き延びたことが残す疑問
沙都子は追われる途中でつり橋から落ち、一命を取り留めます。その後で村の惨状を目にするため、襲撃と村の壊滅の両方を経験した人物になります。
見る側は、沙都子が知っていることと、外部に伝えられる災害の説明を比べられます。村に戻ってきた沙都子にとって、あの男たちがたまたま災害直前に現れただけとは思えないですよね。
それでも、沙都子一人が助かっただけで事件は解決しません。病院で大石がレナの帽子を渡す場面まで、真相を伝えられるかどうかが不安として残ります。生存者がいるのに安心できないのが、この結末の嫌なところです。
皆殺し編以降で分かる終末作戦との関係
後の解答では、鷹野が梨花を殺し、その死を理由に滅菌作戦を実行させようとしていたことが明らかになります。雛見沢大災害という名前で伝えられたものの内側に、住民を殺す作戦があったのです。
星海社の公式コラムでも、大災害は政府を巻き込んだ陰謀であり、誤った論文を信じた者たちが住民を殺害した事件として説明されています。村人が勝手に全員発症し、その結果として村が滅びたわけではありません。
厄醒し編が先に見せたのは犯人の存在
厄醒し編だけで、鷹野の過去や研究の経緯まで説明されるわけではありません。ここで見せるのは、村の全滅を起こす人間がいて、目撃した沙都子にも危険が及ぶということです。
だからこの編の大災害は、原因不明の怪異で終わりません。「何が起きたのか」から「誰が起こしたのか」へ、見方が変わります。沙都子の逃走は、その違いを目に見える形にした場面だと思います。
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