この記事は『ひぐらしのなく頃に』のネタバレを含みます。
罪滅し編の圭一が思い出したのは、鬼隠し編でレナと魅音を疑い、殺してしまった別の世界の記憶です。過去を打ち明けた自分を仲間が受け入れてくれる場面で、その記憶がよみがえります。ただし、記憶を持ち越せる仕組みや発動条件が、手順として説明されるわけではありません。
仲間に受け入れられた直後の記憶
レナに隠していた過去を突きつけられた圭一は、自分が以前に起こした問題を魅音たちへ話します。秘密を話せば嫌われるかもしれません。しかし仲間は、その告白を理由に圭一を切り捨てませんでした。
そこで圭一は、別の世界でもレナと魅音が自分を気にかけてくれていたのに、信じられなかったことを思い出します。今ここで受け入れてくれた仲間と、自分が殺してしまった仲間がつながるので、思い出した瞬間の後悔も重いのです。
旧アニメでは第25話の出来事です。単に似た光景を見て記憶が戻ったとするより、仲間の気持ちを理解したところで、過去の受け止め方まで変わった場面と読むとしっくりきます。
今の世界で起こした事件ではない
このとき告白した引っ越し前の過去と、よみがえった鬼隠し編の記憶は別です。前者は罪滅し編の圭一にもある過去、後者は別のカケラの出来事です。
レナと魅音が目の前で生きているのに、自分が二人を殺した記憶があります。その食い違いが、単なる後悔とは異なります。圭一は悪い夢を見た程度では済ませず、仲間へひどいことをした自分を思い出して泣きます。
ここで急に、別々の編が圭一の中でもつながります。読者だけが鬼隠し編を覚えていた状態から、登場人物もあの失敗を覚えている状態になります。初めて見たとき、そこに驚いた人もいるのではないでしょうか。
梨花が驚いたのは自分以外も覚えていたから
梨花は、惨劇を繰り返した記憶を持っています。しかし、仲間も同じように失敗を覚えて次の世界へ進めるとは考えていませんでした。
その圭一が別世界の出来事を語ります。星海社の梨花の人物紹介も、この記憶回復が彼女を動かし、諦めないと決意させたことを挙げています。
梨花にとっては、圭一が新しい情報を知ったこと以上に、一度の失敗が次の選択を変える可能性が見えたのでしょう。毎回初めからやり直すしかないと思っていたところで、仲間も前へ進めます。希望を持ち直す理由として、すごく納得できる場面です。
後悔すれば誰でも思い出せるのか
圭一の場合は、仲間への理解と後悔が、記憶を取り戻す場面に結びついています。ただし、強く後悔すれば誰でも同じ記憶回復を起こせる、という条件までは示されません。
圭一は好きな世界の記憶を呼び出せるようになったわけでもありません。犯人の情報を都合よく持って戻ったのではなく、自分が犯した過ちを知りました。その内容だからこそ、疑心暗鬼になったレナを見捨てない行動へつながります。
記憶回復の意味は、レナを説得するための知識が増えたことだけではないと思います。あのとき仲間を信じればよかった、という後悔を、今度は信じるという選択にできます。罪滅し編の圭一が立ち上がる理由が、そこにあります。
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