この記事は『ひぐらしのなく頃に』のネタバレを含みます。
罪滅し編のレナは、圭一との屋上の対決を通して、仲間と過ごす日常の楽しさを取り戻していきます。村を救うために敵と戦っているつもりだったレナが、目の前の圭一を一緒に遊べる仲間として見直せたことが、正気に戻れた理由だと思います。
屋上で戻ってきたのは部活の感覚
学校に立てこもったレナは、仲間や警察を信じられなくなっていました。自分だけが村の危機に気づいているつもりなので、止めに来る相手も敵に見えてしまいます。
しかし屋上で圭一と向き合うと、対決は二人が慣れ親しんだ部活の勝負を思わせるものに変わります。そこでレナが感じるのは、陰謀に追われる恐怖だけではありません。目の前の相手と本気で競う楽しさが戻ってきます。
星海社のコラムも、レナが学校の屋上で圭一と戦う中、平静を取り戻した点に注目しています。圭一が力でねじ伏せたから納得した、という場面ではないんですよね。
圭一はなぜレナを見捨てなかったのか
圭一は、別の世界で自分もレナと魅音を疑い、殺してしまったことを思い出しています。今のレナの疑い方に、過去の自分が重なります。
自分が同じ間違いをしたと知っているから、レナを怖い人間として遠ざけて終わりにはできません。かつて自分が拒んだ仲間の気持ちを、今度はレナへ届けようとしていると読めます。
この圭一は、全部分かっている正しい主人公として説教するわけではありません。仲間を信じなかった後悔を知ったうえで、それでも今なら止められると動きます。その切実さがあるから、レナに向き合う姿が熱いのだと思います。
幸せの条件を取り違えていたレナ
レナは家庭を守ろうとしてリナと鉄平を殺し、その後も恐怖や疑いから抜け出せませんでした。問題を消せば幸せに戻れると思って動いたのに、秘密と不安が増えていきます。
屋上で圭一と競うレナには、事件の真相をすべて暴いてからでなければ楽しめない、という状態から離れる時間が生まれます。部活で笑っていた自分が、まだここにいます。私は、この気づきがレナにとって大きかったのだと思います。
圭一と遊ぶために、村の陰謀を一人で解決する必要はありませんでした。自分のすぐそばにあった楽しさを思い出すことで、一人で全員を守らなければという思い込みから戻ってこられたのでしょう。
正気に戻ったことと事件の解決は同じではない
レナが落ち着き、学校での惨劇を止められたことは、罪滅し編の大きな救いです。ただし、それで殺人がなかったことになったり、雛見沢全体の問題が解決したりするわけではありません。
ここで変わったのは、レナが仲間を敵として見続ける結末です。鬼隠し編の圭一が戻れなかったところから、レナは戻ってきました。圭一自身の後悔もあるので、この違いには重みがあります。
「友情で何でも解決」と言ってしまうと、せっかくの場面が薄くなります。圭一とレナが一緒に遊んだ時間を持っていたから、その二人だから届きました。そのくらい具体的な救いとして読むほうが、私は好きです。
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